昔、くじらぐもにのりたかった

暮らしとインテリアと、時々雑談

お腹の元

急にお腹が出てきた理由。

 

毎晩の グラスに半分ばかしのワインか。

はたまた 運動不足か。

 

思い巡らせて やっぱり運動不足なんだろうと

自分の中で そういう結論に落ち着いた。

 

夕げ仕度のかおりが 換気扇から漂ってくる時分。

暑さも少しマシになる頃に

運動がてら 近所を散歩するようになって数日。

 

いつものように 鼻をクンクンさせながら歩いていたら

大きな見落としに はたと気づいた。

 

結構なそのファクターを すっかり忘れていた。

 

私のお腹の元、もしかしたらそれは「お中元」かもしれない。

 

夫婦で会社をしている我が家には

7月に入るやいなや お中元が届き始める。

 

マドレーヌやクッキーの詰め合わせ 和菓子に お煎餅

ジュース 缶ビール…

 

糖質やらプリン体やらが 箱にきれいに詰められて 届けられる。

 

届いたそばから 賞味期限や消費期限をチェックして

期限がいちばん近い箱から開封し、

残りは 期限順に積んでおく。

 

たまたま 期限が近いものが重なったなら

じわっと滲むプレッシャー。

こんなにたくさん

どうやってやっつけたらいいんだろう。

 

夫は あまり甘いものを口にしないし

息子は食べるけど そんなにたくさんは食べさせたくない。

 

それでも 箱のふたを開けて カウンターの上に並べ

「さぁ 召し上がれ」状態にして

ひとつでも減ることを期待する。

 

なのに思ったように減らなくて ジリジリする。

 

順番待ちの箱たちが 私を焦らせる。

 

で 結局は私の胃袋に収まることになる。

 

とはいえ 消費貢献の大義に殉ずる体で

毎日せっせとお菓子を口に運んでいたのは

紛れもなくこの私であるから、お菓子たちに罪はない。

こうして私のお腹は 着実に育った。

お腹の元は お中元だったのだ。

 

ただ 今年のお中元 

ちょっと気の利いたものを贈ってくださった方がいた。

果汁が入った「飲むお酢」である。

 

夫は以前から、気に入った味の「飲むお酢」を買っては飲み続けているが

なんと3㎏痩せて、中性脂肪も減ったのだそうだ。

お中元のお酢は 私が頂くとしよう。

そして 運動もお酢も習慣にしよう。

 

昨今はお中元や暑中見舞いなどの慣例を廃止したり

辞退する企業が増えている。

うちも そうしたらいいのに。

私が社長なら とっくにそうしてるんだけど。

お中元だけならまだしも

お歳暮だってあるし。

 

そういえば、こういう余剰な食品なんかを寄付するシステムがあると

いつかのニュース番組で見た。

この際 そういうのを活用することも 真剣に考えてみようと思う。

 

お腹が出たから言うわけじゃないけど

企業間のこういう慣習は もういらないんじゃないかと 

思うのだ。

届けてくれるのは 宅配業者だし

お礼状だって 印刷された定型文が送られてくるだけ。

もはや 形骸化している気がする。

 

「お中元とお歳暮、もう止めませんか?」

と 私のお腹も言っている。