息子が「ピンク」を手に学校から帰ってきた。(目が悪くてぼんやりしたピンクのかたまりに見える)
なぁに、それ?とよく見たら、桜の枝だった。学校のそばのT字路で拾ったという。棚から適当な器を出して生けてやる。この辺はもう葉桜だけど、まだこんなに咲いてる木もあるんだなぁ。
この間は梅の実を拾ってきて、しばらく飾っていた。黄色と赤が混ざって、きれいだった。
息子は小さい頃から、いろんなものを拾ってきた。どんぐりやたんぽぽ、こんなのよく見つけたねぇって誉めたくなるような、かわいいキラキラなビーズ、そういうものを大切そうに握りしめて帰ってきた。それからたくさんの石ころも。
いつだったか「ママ、きれいなのが落ちてた」と差し出した掌の石を見て、びっくりしたことがある。それは以前海辺で拾ってきて、いい加減家の中が石だらけになるなと、わたしが敷地の石に紛れるように放った石だったからだ。
びっくりすると同時にうれしくもなった。雑多なこの世界で、自分の好きなものを嗅ぎ分けるセンスの一端が見えた気がしたから。それに、石の好みも似ているじゃないか!
「いいの見つけた」そうつぶやきながら、息子は石を丁寧に洗って、自分のコレクション棚に並べた。
わたしはそんな息子を眺めながら思った。
「2代目石ころ番長は、この子に譲ってもいいかも…」
わたしが石ころ番長だった頃の記事
息子よ、譲るのは当分先だよ。(なりたいとはひとことも言ってないけど)
ナガミヒナゲシ。この春、その名をおぼえた花。
風が吹くとすぐに散ってしまうので、写真を撮っておく。雑草とはいえ、美しくて好きだ。
繁殖力がすごいと聞いて、散ったそばから剪定するようにしている。毒があるから、素手で触らない。
首を垂れながらぐいぐい伸びてきて、気づくとすっくと立ち上がっている。切っても切っても蕾が次々上がってくる。なんだか「マトリックス」のエージェントスミスがどんどん増殖してるみたいな、生き残るための執念がすごくて怖くなったりもする。