昔、くじらぐもにのりたかった

暮らしとインテリアと、時々雑談

なんか、おもしろい 

わたしが雑誌を読んでいるのを見て「お母さんって、なんかおもしろーい」と息子が言って「ダァ〜ハハハ」と笑う。「なんで?どこがおもしろいの?」と聞いても「ん〜、なんかおもしろい」が返ってくる。なんだ、失礼じゃないか!と大袈裟に言いながら息子を追いかけ回して、「ダァ〜ハハ、ダァ〜ハハ」と笑いながら逃げる茶番をしばらくやった。

 

また別の日にも「お母さん、なんかおもしろい」と息子が言って、人の顔を覗きこんでニタニタしている。なんで?お母さん、お菓子食べながらYouTube見てるだけじゃんよと言い返すと「でもなんかおもしろいんだよね〜」と言う。ふーん。

もしかしたら、わたしが小さくてまるっこいから、ゆるキャラポケモンみたいな感覚なのかなぁと思った。

 

で、この間バスに乗ってぼぉっとしているときに、「息子がおもしろいって言ってくるのは、わたしが油断してるときかも」という考えが浮かんだ。つまりわたしが「お母さん」じゃなく、間の抜けた顔で、幸せそうにお菓子をむしゃむしゃ食べたり、雑誌をめくりながらニンマリしていたり。そういう、ひとりのだらしない人間になっているときに、おもしろがっているんじゃないか。そんな気がしてきた。どんなときに息子が言ってくるか、これからも観察しよう。

 

ダイニングテーブルでブログなんか書いていて、テレビを見ている息子と目が合うと、なんとなく反射的に変顔をする癖がある。そしたら「なに、その顔、どうやってやるの?」ときた。「こうだよ、こう」「え、こう?」でも、自分がどんな顔をしてるか自分には見えないから、正解がわからない。「じゃ、ふたりで変顔して、iPadのカメラでセルフィーしよう」ということになった。撮りながら、あまりにも馬鹿馬鹿しくて笑いがとまらずに、何回か撮り直した。それでようやく、3枚くらい撮れた。

それを見て、またゲラゲラ笑った。笑いすぎて、お腹と顔が痛くなった。よく似たゴリラ顔がふたつ並んで写っていた。

 

息子の行いで、ムムムっとすることがあって、少し怒った。「もう、そんなんじゃお母さんは今度美容院に行って坊主にしてくるからね」と言った。その夜、息子が夫とお風呂に入っているときに「お母さんが坊主にしてくるって」と涙目で言っていたらしい。(息子自身が坊主になるより、母が坊主になる方がイヤだろうという、わたしの作戦は成功したようだ。)夫はそれを聞いて「意外と似合うかもな」と返したようだ。

 

以前から息子はベッドの上に、おもちゃの木刀だとかピストルを並べて寝ている。前世は戦国武将かルパン三世だったのかと思う。それで今度は、エアガンがほしいという。買ってどうするのか聞いたら、部屋で的を撃ちたいのだと言う。いつもお祭りで射的を死ぬほどやってるからね。そういうのが好きなのはわかるけど。「じゃ、成績が上がったらね」と言ったら「どのくらい?これくらい?」とかなり弱気な数字を提示する。なんだ、よーしがんばるぞとか、そういうのはないの?と言ったら、ふくれて行ってきますも言わずに塾へ行った。こちらも大人げなく、フンと送り出してしまった。あぁ。(いまにして思えば、ゲスい交換条件だったか)

でもきっと、けろりとして帰ってくる。わたしも普段と変わらずに「早くお風呂に入っちゃいなさい」なんて言うんだ。

 

こんな毎日。なんか、おもしろい。