週末はクレープを食べに行くと決めていた。
近くの公園でちょっとしたイベントがあって
クレープのキッチンカーがやって来るのだ。
この辺りは、コンビニもコンビニエンスな距離にないし
自動販売機すらあまり見かけない。
だから、クレープのキッチンカーは
「来る」んじゃなくて、「やって来る✨」の方がふさわしいと思う。
息子と一緒に行く約束をしていたのだけど、友達が遊びの誘いに来て
あっさり振られてしまった。
いままでなら、もういっかとなるところだが
今年の私は違う。
行きたいところには、たとえ振られても行くのだ。(大袈裟)
向かう途中で時計を見たら、イベント終了時刻の15分前。
もしかしたら、材料がなくなって完売してしまうかもしれない。
自然と足早になる。いつもの3倍速。
クレープのために必死になる。
そうだ、それでいい。
無事間に合ったので、家族3人分をお願いした。
まだ、かなりの人が残っている。
誰かが美味しそうに何かを頬張ったり、楽しそうにしているのを
こんなふうにクレープを待ちながら眺めるのって、なんか幸せだ。
見るからに甘そうだけど、意外にもホイップクリームが甘さ控えめであっさり。
中年にもやさしいクレープで、夫とふたり(無言で)ペロリと平らげてしまった。
※※※
13年前の今日、あの時間、私は妊娠27週目で
やたらと眠くて寝室で昼寝をしていた。
どうせすぐにおさまるだろうと思った揺れは、ますます激しくなり
これはいつもと違うと思った。
咄嗟にキャビネットを支えながら、グラグラ揺れるシャンデリアを
恐怖して見ていた。
余震が続くなか、倒れた家具もそのままに
私はなにを思ったか おにぎりを作って無心で食べた。
夫は渋谷から国道246沿いを歩いて帰ってきた。
家に着いたのは、いったい何時だったんだろう。
その後の暮らしで いちばん苦労したのは
安全な水の確保だった。
赤ちゃんに影響したらと思うと、本当に怖かった。
生まれてからも、ミルクを作る時の水は
大学の先輩がわざわざ安全な水を確保して送ってくれた。
一瞬にして命を落としたり
想像もつかない恐怖や悲しみに襲われたりした
たくさんの人々のことを思うとき
私は言葉を失う。
どんな言葉も及ばない気がする。
ただ、ずっと忘れないでいたい。
そして、暮らしと命を大切にしたい。
飾っている花が少なくなったので 生けなおした。
小さな蕾が花開いた。