昔、くじらぐもにのりたかった

暮らしとインテリアと、時々雑談

末永く付き合いたいならドキドキしよう

今週のお題「レイングッズ」

 


唐突な入りで恐縮ですが、みなさんは物持ちがいいですか? 

私は、割といい方かもしれません。

 

ざっと周りを見渡してみると、たとえば毎日使っている電子レンジは1995年製、カーブの具合が気に入っている木べらはかれこれ24年愛用中です。この間、ついに手放したアイロン台は、台の生地を張り替えながら27年使いました。エナメルの靴は底を修理しながら12年、包丁は30年、カシミヤのセーターは20年…探したらもっと出てきそうです。

 

そんなの普通でしょ

たまたまじゃない?

なんて声が聞こえてきそうですが…笑

まぁ、それなりに年齢を重ねれば、そういった物が増えていくのは当然かもしれませんね。ただ、物があまり傷まない、壊れないというのは、それだけ穏やかな時間の中に身を置くことが出来ていたからだと考えれば、有難いことだなと思います。

 

古いからといって、その物に対する我慢やストレスはなくて、

むしろ使い慣れて体の一部みたいになっているので、愛着とも、こんまり流のときめきとも違う、「長年連れ添ったおしどり夫婦の落ち着きや安定感」…というような心地いい関係が、私と物との間に生まれているようです。

そんな風だからか、先日は、粗大ゴミ収集車に積まれたアイロン台を涙目で見送りました。

 

 

愛用の傘も、御多分に洩れず25年選手です。

 

適当に買ってはどこかに置き忘れたり、不具合が生じても、わざわざ修理に出すほどの傘でもないしね〜、なんて思ってしまうような付き合いをやめて、長く大切に使いたいと思える傘を探しました。そうして出会ったのが、某ブランドの長傘でした。

持ち手が木製で、生地には控えめにロゴがプリントされています。落ち着いたブラウンがちょっと大人な雰囲気で、当時の私にとっては少し高価でしたが、傘もファッションのうちと、思いきって手に入れました。

25年前の傘って、どんなにボロボロだろうと思うかもしれませんが、昔、一度だけ修理屋さんのお世話になって以来壊れもせず、色褪せもなく、いたって頑丈です。雨の日のお供として、今も現役。まだまだ使えそうです。

 

こういう長持ちする物、付き合いが長くなる物に共通することってあるんだろうか。

そう考えを巡らせてみると、思い当たるのは、購入を決めたときの「気持ち」

 

長く付き合ってきた物には、振り返ってみると、お店に行って実物を見たり手にとってみたときの感動がありました。その瞬間ビビッときた物(もう死語?)、熟考の末納得できた物、いずれにせよ「キミにきめた!」という高揚感や心弾む気持ちは大事だと思うのです。サトシとピカチュウだって、それがなければ、26年も共に旅することはできなかったのではないか。

私と、長く時間を共有してきた物との関係は、サトシとピカチュウのように、ドキドキワクワクの出会いから始まっているような気がしています。それがあるからこそ、メンテをしっかりするし扱いも丁寧になるのかな、なんて。

もちろん、どんなに大切にしていても、いつかは壊れてお別れする時が来るかもしれない。だとしても、「物」との出会いのプロローグから始まる「物語」を紡いでいきたい、そんな自分がいるのだと思います。

 

ネットショッピングがなかった時代においては(バッチリそこを生きてきましたけど)、買い物は今よりもっと特別な行為だったなと思うし、自分の足で探す苦労がある分、理想のものが見つかったときの喜びは、より大きかったと思います。

今となっては、私もネット注文で暮らしにまつわる物はほとんど届けてもらえる、時代の恩恵を受けている一人。たまに腰痛が出るので、そんな時に、重たい飲料や洗剤が玄関先にそっと届いているのを見ると手を合わせたくなる思いです。ありがたや〜。

消耗品はネットショッピングのお世話になりつつも、長く付き合いたい物はなるべくお店に行って、ドキドキワクワクする物を選ぶ……これが今の私にあっているのかなと思います。

 

 

来週の天気予報は、ずっと傘マークが並んでいます。台風の影響でしょうか。

ドシャブリでなければ、雨の中の散歩もいいものですよね。

雨音に耳を澄ませて、長年の相棒とのんびり歩いてみようと思います。