どうしても無性に愛してしまうものってありますよね。
私の場合は「箱」です。そう、四角くて蓋(フタ)がついているアレです。
なぜ愛してしまうのか…そこに理由なんていらない。でもあえて言うなら、蓋があるからだと思うんです。蓋があるからこそ「なにが入ってるんだろう?」と、期待が膨らみます。蓋には中身を隠す役割がある。隠されたら余計に見たくなる、開けたくなる。でも、開けていいのだろうか?
箱は、こちらが蓋に手を掛けたくなる衝動を見透かしているのです。私たちは箱ひとつに、絶妙な心理戦を仕掛けられている。私が愛してしまうのは、彼の、いえ箱の、そういうところなのかもしれません。
では、愛する箱たちをご紹介いたしましょう。(長くならないように、厳選しましたよ)
まずはこちら。
箱根寄木細工。合子(ごうす)と呼ばれる小さな箱で、どれも掌に乗るサイズです。
麻葉、松皮菱(まつかわびし)、青海波(せいがいは)の模様がそれぞれ美しい。
染色せず、天然木そのままの色を活かしています。
この中に私が入れているものとは一体……
内部にまで美しい模様があるので、なにも入れなくてもいいんですが。
私は古い切手や小さきもの(雑貨、鉱物)を納めています。
神奈川県民の私としては、こういう伝統工芸品がずっと消えずに残ってほしいと願っています。暮らしの中にうまく取り入れたり、愛でたりして、応援したい。
これからもずっと、一緒に歳を重ねていきたい箱です。
お時間ありましたら、こちらもご覧ください。
ちなみに上の菱形の合子は「ムクもの」という別の技法で作られています。
続いては菓子箱。
こちらは沖縄旅行の時に買った、黒糖のお菓子の箱です。
美しい紙箱です。お菓子ももちろん美味しかったのですが、私は完全に箱ねらいで購入。
紙好きとしては、紙箱も魅力的でついつい集まってしまう。軽くて扱いやすいところも◎
こちらは菓子缶です。
手前は、昔の榮太樓甘納豆の缶、もうひとつは今年のホワイトデーにもらったクッキー缶。
榮太樓の箱は渋くてハイカラなデザインがいい。新しい方は、使いながら味わい深く育てていけたら。中身は、ナイショ(笑)
**おまけ**
昨年、旅行先の箱根で、息子が「ひみつ箱」をお土産に買いました。板を何回かずらして開ける、からくり仕掛けの箱です。
開ける手順は、付属の紙にわかりやすく書いてあるので安心です。
「その紙、失くしたら大変だからどこかにしまっておきなさいね」と言ったら、ひみつ箱にしまおうとしたので、全力で止めておきました。
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以上、私の偏愛日誌「箱」編でした。開ける開けないの駆け引きに翻弄されながら、私の偏愛はこれからも続きそうです。