昔、くじらぐもにのりたかった

暮らしとインテリアと、時々雑談

しなやかに暮らしたい

久しぶりに手元に置いておきたいと思えるムック本に出会って、ゆっくりページをめくっています。

 

インテリアスタイリスト石井佳苗さんの「Heima」

Heima(ヘイマ): 「故郷、自分が存在する場所」という意味のアイスランド語

 

「もの好き」を公言する石井さんが移り住んだ、横須賀、逗子、世田谷、目黒、それぞれのご自宅の写真も見応えがありますが、それに加えて、土器典美さん、南雲浩二郎さん、大熊健郎さん、織田憲嗣さんといったそうそうたる「もの好き」の猛者たちのインテリアやインタビュー記事も興味深く見ています。

 

みなさんの住まいを眺めていると、確かに「もの」は多いかもしれないけれど、そこから受け取ったのは「肯定感」や「安息」「調和」といった印象でした。

私も「もの好き」を自覚していますが、どんなものに囲まれて暮らしていきたいか、どのくらいのものの量が心地いいのか、がわかっていれば、ものが多くても大丈夫だと思っています。

特に思うのは、「落ち着くと感じるものの量」には個人差があるということ。たとえば、わんこ蕎麦20杯で満足する人と100杯で丁度いい人がいるのと同じです。(いや、同じじゃないか 笑)

 

私の場合は、相対的な物量で心地よさのバランスをとっているように思います。雑貨やインテリアに関するものは確かに多いけれど、何に使うかわからないケーブルとか、もう身につけないだろう服(思い出の品は別として)、賞味期限切れの書類、必要のない調理器具などは持っていたくない。

一緒に暮らしたい「もの」と持っていたくない「もの」、そのどちらもわかった上で、大切なのは「自分にとって快適なものの量をコントロールする力」なのだなと思います。

 

ときどき、ミニマリストの方が書かれた本や断捨離関係の記事に目を通します。やっぱり何かを突き詰めた人の考えは面白いし学ぶことも多いですよね。

そして思うのは、心地よさの尺度は人それぞれ違う。それゆえに、選択する方向性が違うだけなんだなと。ぬるいお風呂が好きな人と、ガッツリ熱いお湯に浸かりたい人がいるのと似ています。(おや、これも違う?)

みんなそれぞれに、自分の最適を求めている。その姿勢に変わりはないのだと思います。

 

暮らし方や考え方が違っても、学びあったり、いいと思ったことは受け入れたり。必要なときに、ニュートラルな姿勢にギアチェンジできたなら、きっとしなやかに生きていける。そんなふうに思っています。