リビングで勉強する息子に、時たま、付き合うことがある。
どれどれ、理科ね。植物か…
「お母さん、問題出して」と言うので、即席の一問一答が始まる。
「問題。地表に近いところで、葉を放射状に広げて冬越しする
植物の姿をなんという?」
「ロゼット葉!」
「正解」(あぁ、そういえば習ったような…) ←母、心の声
お母さんは当然知ってますと涼しい顔をして、
実のところ学び直しである。
「では、どうしてそんな姿で冬越しするのかな?」
「えっとそれはね、冬の冷たい風を避けて、太陽の光をたくさん
受け止められるようにするためだよ!」
「正解」(なるほど、そうなのかぁ) ←母、心の声
ほったらかしにしていたプランターが、原っぱみたいになっている。
ロゼット葉…
プランターはもう、このままにしておこうと思う。
「人知」がいつも、優しい結果をもたらすわけじゃない。
けれど、「知ること」で優しくなれることもあるのだと
改めて学び直す。
レンガのわずかな隙間にも根を張る。
見れば見るほど、健気である。
でも、放っておいたら大変なことになるのもわかっている。
庭のあちこちに根づいているのに気づいて、
私は途方に暮れる。
「ロゼット葉、どうしよう」